小骨通信 2001/01
2001/01/08

南手骨太@ワンネススクール街の教室です。
21世紀のはじめ、皆さん如何お過ごしでしょうか。今後思いついたときに、小骨通信
と題しまして教育についてやふと感じたことをメールにのせて、勝手にお届けしたい
と思っています。これまでご縁のあった方に送信していますが、あまり興味のない方
はその旨遠慮なくおっしゃってください。それでは宜しくお願いします。また、その
うちウェブ上でも読めるようにしますので、携帯メールなど文字制限のある方はそれ
までご容赦くださいませ。これが第1回目になります。
先日1/5付北陸中日新聞朝刊に金沢市教育長の石原多賀子さんと私の新世紀教育につ
いて語った記事が載りました。記事では各々がコメントしていますが、実際は新聞社
にて対談となりました。教育長といえば市の学校行政の代表とも言える人。一民間人
として教育を見てきた私とどのように意見が異なるのか大変楽しみにしていましが、
しょっぱなから彼女の口から出る言葉は私の想いと似てることといったら!初対面で
あったにもかかわらず話が大いに盛り上がり、約2時間話しつづけました。子どもが
変わったのではなく社会全体がおかしくなってきた、学校教育にも民間のいろんな人
が関わって、地域全体で子どもたちを育てるべき、もっと民間人の登用をしたいけれ
ども採用の権限は県にあって、市教委の立場では少しもどかしいというお話でした。
文部省の寺脇研さんは権限委譲をものすごく推し進めているとおっしゃっておりトッ
プの英断には大拍手ですが、実際現場にまでその意思が到達するのはいつになること
でしょうか。ともかく、これまで私がいろんな学校の校長先生とお話して結構な確率
でがっかりさせられてきましたけど、市の教育長が既存の権益を守るためでなく、本
当に子どもたちの未来を思って教育を創っていかねばならないと静かに熱く語る姿を
見て、とっても嬉しくなりました。うん、まだまだ捨てたもんじゃないぞ。というこ
とで、金沢市以外の人にはいきなりローカルネタで恐縮でした。対談の後、教育改革
国民会議、例の奉仕活動義務化云々のやつですね、12/22に最終報告が出されまし
た。石原教育長はこのメンバーのお一人だったんですね。私の勉強不足で。残念その
会議についても聞きたかった。でもまた次に会えるときを楽しみにしてます。


2001/01/10

南手骨太です。

第1回目の小骨通信送った直後からたくさんのお返事が来て大変感動しました。何で
自分はこんな情報を発信したいと思ったのかというわけをいろいろ考えたんですが、
ただ人とつながっていたいだけなのかもしれません。私の勝手に付き合ってくださる
皆さまに感謝します。激励、お叱り、反論何でも歓迎です。私の未熟を指摘していた
だければ大変嬉しく思います。ぜひ成長に手をお貸しください。

お返事の中で、石原教育長は全国ではじめて金沢の小学校に英語教育を取り入れたこ
とで有名で、それで教育改革国民会議のメンバーに推薦されたという情報いただきま
した。全国初の試みを小学生に対してするというのは相当な勇気と実行力が必要だっ
たと想像します。

英語教育で言えば、大学出ててもちゃんと会話ができないことを恥ずかしく思ってま
す。単に自分の怠けでしかありませんが。私の息子(5歳)はある日ラジオで流れて
きたビートルズの"Let it be"を聞いて、「エルピーのうた」といってずーっ楽しそ
うに口ずさんでました。その曲だけ何回も繰り返すテープを作ってあげたら、毎日自
分で何度もテープひっくり返して歌ってます。今では、完璧(と親は思ってます)。

ちょうどそんなとき、NHKの「ようこそ先輩」という番組で、ジャズシンガーの綾戸
智絵さんが母校の小学校で授業をしてました。最初はあんまり口が開かなかった6年
生の子どもたちも、彼女のパワーと笑いでどんどんお腹から声がでるようになってき
ました。そして、彼女は子どもたちに"Let it be"を歌おうよ提案し、歌詞カードな
いの?という子どもたちに対し、それぞれに歌詞カードを作らせました。子どもたち
は何度も繰り返し耳で聞いて、口で音をだして、そして紙にカタカナで歌詞を書いて
ました。どれ一つとして同じ歌詞カードは出来なかったようです。そして皆で合唱。
すごい楽しそうでした。感動で涙が出ました。音楽と英語をこんなに楽しく学習した
ことはないなあと思いました。綾戸智絵さんは教育者ではないんですよね。これまで
の人生でいろんな経験をしてきて、そして今輝いている人。そして子どもたちや番組
を見た私たち、そしてきっと日々の演奏活動でも皆に感動を与えてくれてるんです
ね。

前回の小骨で石原教育長が「学校に民間人の登用を」というのは、こういうことなの
かなあと解釈しています。だったらものすごく素晴らしい!私の説明ではいまいち伝
わってないかと思います。録画したものありますので、ご覧になりたい方はお貸しし
ます。遠い方は送ります。ついでながら彼女は音楽は毛穴で聴くそうです。わかる気
がします。



2001/01/17

南手骨太です。

3日坊主の私がいつまでもつか。メールマガジンなどという立派なものではありませ
ん。本来なら一人一人にお送りすべき私の独り言を、横着してBCCで遅らせていただ
いてる私信です。迷惑でなかったらお付き合いください。

まず、遠くの方へ。大雪で安否を気遣うメールいただいてますが、私は大丈夫です。
ありがとうございます。平野部でこうだから、山の方ではさぞかしすごいんでしょう
ね。

そんな大雪の中、今日郵便で新聞記事のコピーが届きました。大阪で記者をやってい
る後輩からです。去年の1月の記事ですが、私の知り合いを取材して書くと聞いてた
ので、ふとそのことを思い出してまだ読んでいないその記事を送ってもらうようお願
いしていたのでした。

「震災そしていま −子どもたちの5年−」と題した6回の連載でした。涙なしには読
み進められませんでした。震災そのもので受けた大きな痛手、学校再開後のいじめ、
復興中の家族の分断、そして大人のさまざまな思惑に振り回され・・・

幼い心に、大人でも耐えられないような、つらい出来事がおそいかかり、しかも震災
の物理的なものだけでなく、人間が作り出したどろどろしたものに巻き込まれる。皆
が助け合って、人間が本能的に持っている愛もたくさん見られたということも聞きま
したが、子どもたちはものすごい経験をしていたようです。

一番悲しいと思ったのは、神戸周辺がこんなに大変だったときに、自分が東京でサラ
リーマンとして普通に生活を続けていたこと。完全に対岸の火事でした。その約3年
後、神戸に住むことになって、「復興って早いもんだ」と思っただけでした。子ども
たちの心には今でも大きな爪あとが残っている・・・理屈では知ってました。でも、
頭でわかってただけでした。情けない。自分が今まで何を生きていたのか、考え直し
てみたいと思います。素晴らしい記事をありがとう。

そして本日1月17日が震災の日。ご冥福をお祈りします。



2001/01/21

骨太です。

1/27から1週間、キューバに行くことになりました。教育現場の視察ツアーに参加し
ます。キューバについてはどんな国なんだか、まして何でキューバの教育が注目され
るのか、全く知りません。学校の地理なんかで勉強して覚えていることといえば、さ
とうきびくらいしか思い浮かばないなあ。あと、野球とバレーが強いとか。
これをきっかけにちょっと調べ始めました。また、キューバに2年間住んでいたお友
だちがいたので、電話でいろいろ教えてもらいました。

経済的には決して豊かではない国ですが、国民はとっても明るく、心が豊かだといい
ます。スペイン、次いでアメリカから独立、社会主義国家としての道を歩んでおり、
福祉、医療、教育への予算配分が極端に多いそうです。平均寿命が長くなり(男性
73.5歳、女性77.5歳、1959年では55歳)、教育についても相当力が入っていると聞き
ます。世界の流れは教育の選択肢が多様化する方向にいっていますが、キューバは現
在国の作る学校のみ。そんな中で子どもたちがステキに成長しているようです。先生
も全く先生らしくないそうです。これがかつての日本のように、学問に枯渇している
時代がゆえの現象なのか、それともチェ・ゲバラ※の残した思想が素晴らしく、かつ
現場で忠実に再現されているからなのか、大変興味あるところです。カストロの独裁
政権に対しての批判も聞こえますが、果たしてどのような現状なのか、この目でじっ
くり見てきたいと思っています。

現在、スペイン語をちょっこっと勉強中、そしてキューバについてもいろいろ調べて
いますが、どなたか情報ありましたらぜひご連絡ください。

音楽と踊り、そして食べ物飲み物も堪能してこようと思います。
帰国しましたら、またご報告させていただきますのでお楽しみに。

※カストロと共に革命を成功させ、後にボリビアで殺されたが、今でもキューバ国民
の心の中に生きているといわれる英雄かつ思想家、実践家。経済や共産主義、教育に
ついて彼の想いが深く浸透しているようです。



2001/01/22

骨太です。

先日の小骨通信に対して、24通ものメールいただきました!!キューバファンやゲバ
ラの本を読んだことのある人がこんなにたくさんいたのには驚きました。いまキュー
バってホットなところなんですか。私は何も知らずにいくとこでした。今からしっか
りダンスと野球?を練習していきます。金沢でサルサ習えるところないかしら。

情報をとってもありがとう。Muchas gracias!(っていうんだそうだ)

土産話をお楽しみに!





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