ユース・ワークキャンプ in フィリピン - マニラ編 -
オランゴ島を出てから、マニラに行きました。マニラには三菱商事時代の同期、バギ(日本人です念のため)が住んでいるのでこの機会に会いに行ったのでした。マニラ空港にバギ夫妻が迎えに来てくれていて、何年かぶりの再会を喜んだのでした。会社のスキー部で一緒だったんだよねー。あれはもう遠い昔。バギ夫人ヒサちゃんも同じ会社の同期だったのでした。
ランチを食べた後にバギが連れて行ってくれたのは、何とパヤタス。映画「神の子たち」の舞台である、ごみ山です。ここに入るには特別な許可が必要だと聞いていたのだけど、肥料部のバギが、日本から環境の博士が来て、ごみから有機肥料を取り出すプロジェクトを云々という書類を作成して、市長の許可をもらってくれたとのこと。うう、友とは何と素晴らしきものか。しかも昨日もパヤタスに来て、担当者に話をつけ、チップまで渡しているとは、さすが商社マン。
ここ、半端じゃなく臭いです。これまでに未体験の香り。何と言うか酸っぱい匂いです。
でもここに住んで、ここでご飯食べたりしてるんですよね。慣れるもんなんでしょうか。
美人のお姉さんもいますし、
ふもとには子どもたちもいます(ごみ流入地帯は子ども立ち入り禁止)。
ちょうど向こうから小さな竜巻がやってきて、あっという間に私もバギも竜巻に巻き込まれてしまいました。ごみが渦巻いて飛んでいる中に入ってしまう様は、マンガみたい。でも臭い。
パヤタスから街の中心部までは1時間くらいでしょうか。これまでの政治家は私腹を肥やすことに懸命で、道路などインフラの整備を全然してこなかったから、マニラは渋滞とそれに伴う大気汚染に悩まされる都市だそうです。でもあまりに車の中が臭いので、窓を開けたりして。いや、そんでも大都会ですね。ここはマカティという地区で、マニラ支店はその日本で言うと銀座のど真ん中にあって、バギのマンションはそこから歩いて5分ほどのところ。職住近接アーバンライフ!といってもちゃんと運転手が迎えに来るんですが。
これ、バギのマンションの玄関。ホテルみたいにボーイさんがいて、広いロビーも。
エレベーターホールだけでも、日本人一家が住めますわ。
バギ家の内部公開!42階建ての39階。トイレが5つにバスが4つ。メイドさん1人。おむかえの中国人宅はメイドさん3人ですって!300平米の広さは、いったい我が家の何倍だ!?お茶を頂いておりましたら、屋上からヘリコプターが飛び立っていきました。このマンションオーナーはイメルダ夫人で、この建物のどこかに住んでいるらしい。
リビングの面積だけで、我が家が建つと思うわ。
リビングから眼下を眺めると、全戸プール付きの高級住宅街。
私が一晩お世話になったゲストルーム。
おーい風呂はどこだい?って聞いても家が広くて主には聞こえず。でもゲストルームに付いてた。
社長室、みたいなバギの部屋。毎週ゴルフ、家でも練習。もう私と一緒に周るなんてことは絶対ありえんなあ。
キッチンで仲睦まじいバギ夫妻。結婚式のときは「美女と珍獣」と言われていた。
キュートなメイドさん。いや、私は何で人ん家の紹介ばっかりしてるんだ?でもあまりに快適な空間だったので、写真を撮りまくってしまいました。ごめんね。だけど我が家はあまりに汚いので撮影禁止です。口外も厳禁、訪問される方はご注意。
というわけで今度はバギの会社をお見せします。日本のオフィスとあんまり変わりないです。面白くないので以上。
ちなみに、パヤタスから帰って来た我々は、自宅待機のヒサちゃんにとっては相当臭かったらしい。自分でも体に匂いが染み付いているのが感じられたくらいだし。参考までに靴の裏に鼻を近づけたら、ウッヒャー!!でした。でもそれをメイドさんが洗ってくれるんですよ・・・恐縮至極。
家でシャワーを浴びてから、バギとマッサージに行って、ざぶーんと湯船に浸かったら、これはほんとサイコー。ああ、日本人って風呂が好きね。オランゴ島ではお湯すらなかったから、もう天国。その後指圧マッサージをしてもらって、あまりの気持ちよさに私もバギも、されながら寝てしまっていたのでした。
翌日の日曜日はバギは朝からゴルフ、そして昼からはサッカー。なので私とヒサちゃんはショッピングモールでお土産のお買い物。いやー、それが巨大な買い物ゾーンで、はっきり言ってどこを歩いてるのかさっぱりわからん。アメリカででっかいモールには行ったけど、もっともっと巨大ですわ。別のところには長さ1kmにわたるショッピングモールもあるとか。こんなにでっかくて、誰が買い物できるんだ?と思うけど、お客さんがあふれてます。私が昨日見たパヤタスは幻?
日本やアメリカのそれと、あまり違いがないです。日曜日だったので、モールの真ん中で日曜学校が行われてました。敬虔なクリスチャンが多いんですねえ。みんな真面目に話を聞いていました。
お土産を必要分買ったら(これがまた超大量になってしまった。詳しくは後ほど)、車でマラテという地区へ。旧市街という感じでしょうか。私は知らない街をぶらぶらするのが大好きなので、もう一泊してけという超ありがたいお申し出をお断りして、安宿に泊まることにしたのでした。コミュニティトレードalの葛葉さんが定宿にしているというところに行きまして、そこでヒサちゃんと運転手さんと一旦お別れ。バギがゴルフとサッカー終わってからディナーを食べる約束をしてたので、それまでの間街を散策することにしました。これが私の旅の一番の楽しみ。でも何でだろうね。自分ちの近所では全然散歩したいと思わないのに。
夕暮れマニラ湾を望む。海岸で語らうカップルや、海で遊ぶ子どもたち。北半球の2月なのに!
露天市に出くわす。食材は豊富そう。
豚串を焼いてていい匂いがするので一つ頂戴と言ったら、たった一本でいいの?と言われた。でもこのあとバギたちとディナーだから控えとかないと。12円也。安いしうまい。うちの子どもたちを連れてきたらたらふく食わせてやれるのに・・・日本では怖くて焼肉屋には連れて行けないのです。
ちょっとヤバそうな細い路地に迷い込んでしまいました。というか、そういうところが好きなんですが。あとでガイドブック見たら、そんなとこは入っちゃダメだって。子どもたちが珍しそうに集まってきて、覚えたオチョオチョを踊ったら大喜びされちゃって。カムヒア、カムヒアと裏の裏まで案内してくれて(^^ゞ。路地裏で酒を飲んでるおっちゃんに一杯どうやと勧められて飲んだけど、これもガイドブックには睡眠薬強盗とかあるので要注意だと書いてあったり(でも大丈夫でした)。
こま回しとかも見せてくれたり、二股に分かれた道で、いやこっちだと両手を反対側に引っ張られたり。ほんとに人懐っこくてかわいらしい子どもたちばかり。ある駄菓子屋の前でこのお姉さん(右の人)が日本に住んでたことあるってことで、日本語で話をしたのが新鮮!埼玉県の飲み屋で3年働いてたそうです。
すっかり暗くなったのでスラム街を抜け出し、今度は国鉄の線路に出ました。ちょうど踏切がカンカンとなり、なかなかお目にかかれない電車を拝見することができました。このあたり、線路沿いにスクワッター(不法占拠者)と呼ばれる人たちが沢山住んでいます。電車が汽笛ならしまくって徐行して、そんでも住んでる掘建て小屋から顔出したら電車に当りそうなそんな近い距離です。電車が過ぎると、線路上で焚き火して夕食の用意はするわ、溜めた雨水で行水するわ。ここでもいたるところでカラオケやってました。電気は盗電だそうです。
暗くて見にくいけど、このように線路沿いに小屋を建てて、沢山の人たちが住んでいます。雑貨屋、カラオケ屋、ビリヤード屋などありました。
宿を出て3時間半ほど歩いたかしら。地図見たら、もといたマカティ地区に入ってました。バギちゃんから借りていた携帯電話で連絡取って、そこで彼らにピックアップしてもらったんですが、マラテからマカティまで歩いたってなかなか信じてもらえず。でも大変面白い散歩だったよ。オススメ!(女性はこんなことしちゃダメだって)
バギ夫妻と中華レストランへ。でっかいカニです。バギちゃん、ゴルフで優勝して儲かったというので、すっかりご馳走になりました。そうでなくても、それまでにもずいぶんご馳走&お世話になってたんだけど。ありがとう!!!!
バギ&ヒサちゃんと宿の前で別れ、結構酔っ払ったので一眠りしてからシャワー浴びて、再び夜の街へ散歩に。日本人のおじさんとフィリピン女性が肩組んでホテルに入っていく姿を目撃。日本人だけでないなあ。宿にチェックインする際に、客人とはロビーで会ってねと言われたけど、ああその意味はこの宿は連れ込んじゃダメということね。バギ曰く、こっちにお客さんで来る人で、それを期待してない人は皆無だと!私はコンビニ(ミニストップ)でスプライトを一本(30円)買い、宿に戻って寝ました。
翌朝は北の方に向かってお散歩。昔は泳げたというパシグ川。今は汚染がひどい。でも都会の喧騒を避けて、この川に人々が集まってくる。私の足もつい水辺へ向かってしまいます。
バギちゃんといろいろ話をして、面白いなと思ったのが、フィリピン人との話題は「ゴルフ」と「女」と「政治」なんだそうです。この3つさえ押さえておけば、営業ばっちり日常会話ばっちり。初対面の人との挨拶は“What's your handycap?”なんだって。だからバギは毎週熱心にコースに通うのね。そんなけしてれば打ちっぱなしとか必要ないように思うけど、いやなにこれも仕事のためだからね。政治ってのは、確かにオランゴ島で高校生たちと話していて、日本の政治についていろいろ質問してくるのに驚いた。日本は民主主義なのか?コイズミってのはどういう役割なのか、天皇制って?いやー、これは私もっと勉強しないときちんと答えられないです・・・
また、フィリピン人はあまり働かなくって、約束しても全く時間通りでなく、これがかなりなストレスだそうです。オランゴ島で一緒に生活していたフィリピンの人たちはきっちりしてたけどね、この人たちは特別なフィリピン人なのかもしれません。日本人でも超ルーズな人がいるみたいに。でもこういった文化の違いはどこから来てるのか、そのあたりもっと詳しく知りたいと思いました。日本人あくせくしすぎなのはたぶん最近の傾向で、これは行き過ぎとは思いますけど。
制服を着ているのは大学生。かっこいい!
学生たちがランチしているカフェは、城壁の中にあります。16世紀にスペイン人が作った城塞都市の周囲を囲んだものだそうです。歴史を感じる!
フィリピンの学生も青春って感じでいいねえ。と思っているこの瞬間、私の日本での教え子たちは大学生になるため、高校生になるために
受験勉強を一所懸命しているハズはのでありました。早く帰って見てやらねば。 − 完 −
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