中国見聞録 - 南京の巻 -

2002年7月20日から24日まで、南京・蘇州・上海と周ってきました。今回の中国ツアーは河北潟湖沼研究所の恒例行事で、私と中高生3名が同行しました。河北潟というのはは金沢郊外にある2/3が干拓された潟で、同研究所はその水質浄化を目的とした環境NPOです。南京地理湖泊研究所という中国政府の機関と共同研究をしており、その研究発表や打ち合わせのために毎年訪れているということです。今回は新たに南京師範大学が登場し、その附属学校の生徒と石川の中学高校生と交流しながら環境教育を学んでいこうという話も出てきました。

003-1055i.jpg 003-1061i.jpg 003-1057i.jpg 003-1063i.jpg 夜の南京街。都会ですねえ。街は少し前から比べるとずいぶんきれいになったとのこと。コンビニはあるしバス停前に携帯電話の広告はどどーんとあるし。日本みたい。一方、トラックでスイカを山盛りに売ってたり、道端でみんなそれを食べてたり、歩道でトランプして盛り上がってたり。失われしよき日本の風景みたいな感じもあっていいなあと思いました。

003-1077i.jpg 003-1083i.jpg 003-1082i.jpg 003-1090i.jpg
003-1105i.jpg 003-1108i.jpg 南京師範大学仙林キャンパス。郊外の60km2に及ぶ大学地帯の一角に4km2もの敷地を確保した江蘇省立の大学です。この新キャンパスだけでも2万人の学生がいるということです。このキャンパスにいくつかの池があり、そこで水質浄化の実験をしています。こんな近代的なキャンパスでも、トラクターみたいのが走っていて(学生が乗っている!)面白いところです。最後の写真は通りをはさんで向い側にある附属中学。

003-1111i.jpg 003-1129i.jpg 003-1132i.jpg こちらは南京師範大学旧キャンパス。町の中心にあって、古くてアカデミックな雰囲気。私はこっちの方が落ち着くなあ。真ん中の看板がいかにもって感じでシャッターを押してしまいました。大学内にはホテルのような宿泊施設や、高級中華料理店みたいな食堂もあったりします。そこで腹いっぱいごちそうになりました。

003-1139i.jpg 003-1140i.jpg 003-1149i.jpg 観光で長江大橋を訪れました。偉大なる長江にも驚きましたが、橋が完成したときの写真(真ん中)で、えらいたくさんの人がお祝いに集まってきていて、これまた中国の強さを感じさせるものでした。左写真の像は毛沢東。このあたりで便所に急ぐ仲間がちらほら。

ryoi.jpg 003-1180i.jpg 中山陵というのは孫文のお墓があるところです。ここの石段は392段あるそうですが、孫文が南京を首都においた1925年当時の中国の人口3億9200万人にちなんでるという噂。今は何と13億人!?この階段の登り口便所で1時間ほど足止めをくらう。2名がトイレから離れられず。有料でしかも紙は2枚ほどしかもらえず、和式ときたものだから、本人たちはさぞかし辛かったでしょう。ここでその2名は登らずにホテルへ引き返し、残った者でてっぺんを目指したのでした。階段途中にあった金属のお椀みたいなやつには、日本軍の砲弾の跡が残されておりました。見学が終わって頂上にいたとき、先にホテルに戻った2人が病院に運ばれたという連絡が。。。

003-5310i.jpg 003-5313i.jpg 003-5444i.jpg 救急病院は野戦病院状態。中学生のフミヤは廊下に寝かされ点滴。カオルコはベッドがなく、待合室で多くの人と共に点滴。翌日の新聞には日本人が食中毒!と。隠しカメラで撮ったとおぼしき写真付きでした。

003-5324i.jpg 003-5325i.jpg 003-5327i.jpg 2人とも夜のうちにはホテルに戻ってこれて一安心。翌朝は「南京地理湖泊研究所」の中を見せてもらいました。印象的だったのが、どの部屋も整然としていること。日本の研究者の机の上や実験室って書類山積みで機械転がっていて、すごい散らかっているのに(でしょ?)。かといって街にはスイカの皮とかがポイポイ捨ててあったりして。きれい好きなのかそうでないのか、ちょっと短期の滞在ではようわかりませんでした。

003-1206i.jpg 003-5318i.jpg 交通状態は超terrible!!わたしゃ、この国で運転はできません。日本でも最近車のマナーが悪いなあと悲しく思っていました。横断歩道で半分体出して超目立つように手を挙げててもなっかなか止まっちゃあくれない。。。でも中国でそんなんしてようものなら永遠に渡れないか、轢かれてしまうかですね。横断中の歩行者や自転車にクラクション鳴らしてまっすぐ突っ込んできます。よけないと死にますね。車線変更、割り込みとかも尋常でなく。車ばかりでなく、バス停でバスが来たから乗ろうとしたら、どこからともなく人が湧いてきて、一番バスに近かった我々が乗れたのは一番最後でした。エンジンの真上で天井が低くて窓のない一番後ろの特等席で排気ガスの匂いを嗅ぎながら解せない想いをしていたのでした。だけども路地裏以外には広い広い自転車専用道路がある、世界最先端なのでした。これは素晴らしい!ぜひとも日本にもこいつを普及させたいですね!!!

多くのスケジュールと食中毒事件などで、一番行きたかった南京虐殺記念館へは残念ながら行くことが出来ず、次の機会となってしまいました。南京地理湖泊研究所の範(ハン)さんが食事のときに語ってくれた言葉が大変心に重く残っています。「中国は大国日本の動向に大変注目している。戦時中も日本の非軍人に対しては親しみを感じて保護をしていた。なのに小泉首相の靖国参拝は神経を逆なでさせるものだ」「中国側に台湾独立という考えは全くない。兄弟喧嘩なので、仲直りを望む。米国がいなかったら早くに統一していたに違いない。パレスチナやキューバ、北朝鮮の問題は米国が介入しなければもっとよかったろうに・・・」


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