ユース・ワークキャンプ in フィリピン - その1 -
2004年1月27日から2月7日まで、小学生から高校生まで6人の子どもたちが、南国フィリピンへ行ってきました。マングローブの植林など環境保全のボランティアワークキャンプに参加するためです。私、南手骨太も引率としてその日程の一部に同行し、彼らと共に汗をかいてきたので、子どもたちの現地での様子をこの場を借りてご報告させていただきます。
国際ワークキャンプを長年続けている日本のNGO(NICEという団体)から、アジア初のティーンエージャー向けのものを企画したいので、協力してもらえないかと打診あったのが、昨年秋頃。私自身もこのワークキャンプの存在を知ってから少し体験させてもらったのだけど、それがあまりに素晴らしかったため、これはもっと若い子どもたちにも是非経験してもらいたいと思っていたところ。それゆえ願ってもないこの企画、喜んで手伝わせてもらうことにしまして、このように実現した訳です。
石川組、小松空港から出発〜
そもそもこの国際ワークキャンプというのは何かといいますと、早い話、世界各地から集まるボランティアの人々が2〜3週間共に暮らし、地域住民と、環境保全や社会福祉、教育や農村開発、文化遺産の保護などに取り組む民間レベルの国際協力活動のこと(説明長くて失礼)。第一次世界大戦後、互いの理解と協力がもっとあれば、このように多くの血を流さずにすんだはず、とフランスとドイツの若者が共に、戦場となった農地を耕したところから始まったそうです。現在では世界90カ国ほどで年間2, 500もの事業が開催されているとのこと(すげえ)。基本的に現地集合、現地解散で、往復の交通費さえ捻出できれば、宿泊場所と食材は地元主催者側が提供するのがならわしのよう(発展途上国では多少事情は異なる)なので、時間があって金のない、大学生や若い社会人には嬉しいシステム。私ももっと若かりし頃にこの存在を知ってれば行きまくったのに!と地団駄踏むも、よく考えたら現在も時間あり金なし状態なので、今からでも全然遅くないのでした(体力の問題は若干あるかも)。
成田空港で新潟のフクとその父、ご対面!!
さて、今回のティーンエージャー向けのワークキャンプは、フィリピン・韓国・日本の三カ国合同事業で、セブ島そばのちっちゃな島「オランゴ島」に2週間滞在し、マングローブの植林や地元学校との交流、一般家庭でのホームステイに「世界湿地の日」国際会議への参加など通常のワークキャンプよりもイベント盛り沢山の内容。こんな安い費用(今回は成田発着で何と十万円!!)でフツーの海外旅行の百倍も体験できる機会はメッタにない!ということで参加者急募。その結果、集まった日本人参加者は石川県内小学生〜高校生5名と新潟県の中学生1名。
ハルキ、成田空港にてたそがれる。
しかしこんなに魅力満載の募集ではあったんですが、一筋縄ではいかないことも。某山県立高校3年の男子生徒、これまで地元でボランティア活動をずっと続けてきたナイスガイ。社会に出る前に是非一度海外ボランティアをと、本人も親も強く希望して参加を決め、パスポート申請をまさに出さんとしたその時。一応学校にも、と一報を入れたところ、期末試験と重なっているとの指摘。本人赤点が1つ2つあるとかで、この試験をクリアーしないと卒業できませんぞ、と。おお、確かに学問は高校生の本分ではあるけれど、この2週間の人間的に超成長できる機会よりも大事な座学がこの世にあったとは。親もスタッフも粘り強く交渉し、追試を受けるとかレポートを提出するなどの提案をしたけど、結局受け入れてもらえず。当企画が教育委員会や県の主催なら検討の余地ありそうな雰囲気だったんだけど。お墨付きなら、このNGOは国連も認める団体なのに(ユネスコの国際ボランティア活動調整委員会の副代表まで務めているらしい)。泣く子も黙る「卒業」資格を前に、その親子は結局諦めざるを得なかったのでありました。参加できた子どもたちの中でも少なからずこういった学校とのやりとりがあったようで、保護者の方、快諾いただいた学校関係者(ちょっとイヤミ?)の方々に深謝。
フィリピンへいくぜー
さて、1月27日朝、小松空港に集合した一行は、ユーミ(高1♀)マリ(中2♀)トシ(中2♂)タカ(中2♂)ハルキ(小6♂)そして私コッタ(♂)の6名。見送りの家族としばしの別れを告げ、飛行機で羽田へ。緊張からか不安からか、この短いフライトの間に大を催したトシは、着陸態勢に入ってもトイレから出られなかったそうで。「スチュワーデスさんに心配されてしまったわー」なんて羽田に着いてから笑って言ってたけど、2週間も異国で知らない人たちと生活することに全く自信がないと参加を相当迷っていたヤツが、なかなか健気でかわいい。
フク(左)とタカ。とその後ろにユーミ。正月ハワイに行く芸能人みたい(見えない?)。
電車で成田空港へ。そこで新潟県からの参加者フク(中2♂)とご対面。スタッフのエージ(♂)とトモエ(♀)もここで合流。子どもたちはこれまでに交流のなかった間柄。日本での最後の食事をとりながら自己紹介をたんだけど、どうもカタい。こういうフツウの紹介だけでは心地がよろしくないので、エージ、トモエと一緒に、子どもたちに突っ込みまくって笑わかし、緊張をほぐすのでありました。
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