アメリカ デモクラティックスクール見聞録 - グラスルーツの巻 -
SVSの後はフロリダに飛んでグラスルーツフリースクールへ。なーんとあいにく、今年は温暖化の影響とかで夏休みが早まり、
我々が到着したときはもう子供たちはいなかったのでした。ここはパットというテディベアみたいなおっちゃんが代表で、
イギリスの有名なフリースクール、サマーヒルの創設者ニールに会って感動して始めた学校で、33年程になります。
25軒ほどのコミュニティの入り口にスクールがあり、かつてこの地に移転してきた際、この学校に通う家族が15軒集まって共同で
土地を購入したり移り住んだりしてこのコミュニティを創ったそうです。このコミュニティの真ん中によく管理されたプールもあって、
森の小径の途中途中に学校と家とプールと庭と畑があるという雰囲気のところでとっても心地いい空間でした。
左から、グラスルーツフリースクールの校舎、隣接の畑、パットさんの家、コミュニティのプール。
パットの娘ホープ(15歳)が去年までグラスルーツの生徒ということで話を聞くことができました。
いつも自分の興味あることを思う存分やって楽しい毎日を過ごしていたとのこと。またホープもうちの娘にしたいくらいのかわいくて
利発な女の子です。
すごくかわいくって、はきはきして気持ちいい子でした!
ここは基本的に好きなことをして自由に過ごしますが、スタッフがやりたいことを提案して、それに興味ある子は自由に参加できるところが
SVSと違うところ。SVSは大人の方から何かに誘導したりは一切しません。同じデモクラティックスクールでもSVSとグラスルーツはそのやり方が
異なりますが、パットの言葉では、授業料を払っているのは親であるので、子供が主役ではあるけれど、学校経営にかかわることなど完全には
子供たちの主権となることはなく、どこまでデモクラティックにするか、という程度の違いだとのこと。例えばSVSは年間の授業料は約4000ドル
ほどするので経済的に厳しい家庭は対象外となってしまうけれど、経営は安定し、いろんな子供の要求に応じることができたりします。
一方グラスルーツは所得に応じて授業料がスライドするので、低所得の家庭でも通うことができるので、黒人も含んだいろんな層の子供たちが共に
学べる一方、経営的には安定せず、子供たちがミーティングで決めたとしても予算的に実行が難しかったりします。
校舎の中の様子です。
パットはあったかい雰囲気を持っていて気さくで冗談も言う、いいおっちゃんといった感じで、ホープにパットは家でもこんなパパかと尋ねると、
そう全くこの通り、との答が返ってきて妙に納得したのでした。
右の写真のスポック(スタートレックの)みたいな人はチャックといって、グラスルーツを卒業した子の多くが行く、セイルハイスクールの先生です。ホープもこの学校の生徒です。
セイルをはじめた人もこのコミュニティに住んでいます。ユニークな人が多い!
グラスルーツで子供たちが遊んだり、学んだり、ミーティングしたりしている場面を見ることはできなかったけれど、充分に堪能できた気分。
でもこのグラスルーツには絶対にもう一度来るぞ。
左の写真はスタッフのルイーズ。少しシャイなナイスガイ。ある角度から見るとトムクルーズそっくりなので、シブい顔で写真を撮ってみました。
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