ユース・ワークキャンプ in フィリピン - その4 -


 フィリピン人は音楽好き、と前にも書いたけど、これが半端でなく。こんな田舎島でも各集落に一軒は、軒先にカラオケセット(映像も出る!)があって昼間から歌っているのよ。まるで日本でのジュースの自動販売機のよう。ちょっとのどが渇いたから歌っていこうか、みたいな。そして、子どもたちはあらゆる歌の振り付けをマスターしていそうな感じ。

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 村の雰囲気はこんな感じ。のどかでいいやねえ。

 二日目の晩、学校の講堂でワークキャンプ開催式典が行われました。まるで島中の子どもたちが来たんではないかというくらいの人だかりで、我々外国人を珍しそうに取り巻きます。偉い人の挨拶で式典は始まり、次に国歌斉唱。観客席のチビッコたちも全員起立で胸に手を当て歌う姿は感動的。その後高校生が30人ほど出てきてポップなダンスを披露。今日のために相当練習してくれたのか、それともごく日常的に踊ってるんだか、やたら上手いねえ。今度は女性歌手が出てきて静かな曲をプレゼント。そして韓国人参加者が舞台に登って自己紹介。高校生ウンビー(♀)のチマチョゴリ姿がとっても素敵!さて次は日本の番と思いきや、男女二人が登場してきてラテンなダンス。これが終わってさあ、と腰を上げかけるも、近所のお母さんたちによるフィリピンの伝統的なダンス。で、ようやく我々の番。マリの浴衣姿に視線が集まって、さすがに日本のものもよろしいでしょ?子どもたちすごい緊張して出番を待っていたけど、それぞれうまく英語で自己紹介でき、ほっとした表情。これでようやく舞台を楽しめる余裕ができたかな、って感じ。にしてもほんとダンスが好きな人たち。大胆なスリットのお姉さんと黒で決めたお兄さんが出てきて、密着系の濃厚ダンス。フィリピン参加者の自己紹介もそこそこに、ダンスをあと2つ3つは見ましたね。

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 これらの写真は時系列です。国歌、ダンス、歌・・・

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 韓国人自己紹介。チマチョゴリいいわあ。

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 ダンス、ダンス・・・

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 日本人自己紹介!!

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 ダンス!

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 フィリピン人自己紹介

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 ダンス!!

 「オチョオチョ〜」という歌が今のフィリピンミュージック界でホットなようで、ノリノリでコミカルで超バカうけ。私の体も勝手に反応してつい真似て踊りだしてしまいまして。他のみんなも、ほら勝手に腰が動きはじめてるし。曲が終わったとたん、またオチョオチョがかかって、全く憎い計らいだねえ。こうして全員総立ち、日韓比の大演会となってしまいました。フィリピンの人だけじゃなくて、みんな好きなんじゃん。にしてもこんな式典は日本ではちょっと考えられないですね。(しかも学校でだよ)。

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 全員オチョオチョ!

 フィリピン流の歓迎がすごいってのはよーくわかりました、ハイ。彼らが勝手に楽しんでいるだけかもしれないけど、充分に歓迎されてしまいました。まったそんで韓国チームもすごいのよ。太鼓やドラを国からいくつも持ってきていて、迫力ある演奏をやってくれなさります。韓国女性チームが流行りのポップミュージックを振り付きで歌う姿は、超キュートでドキドキもの。一方我らが日本人チームはときたら、あれま何も芸がないですよ。というか日本人の感覚からすると、何でフィリピン人も韓国人もそんなに芸達者なんだ?ともかく我らもしないわけにはいかないので、「世界にひとつだけの花」とか歌うけど、振り付けなくて、照れがあるもんだから、どうしても見劣りしてしまう・・・これからの国際社会、他国と交流をしていく上で必要なのは英語と芸と度胸!と強く実感したのでした。

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 韓国ミュージック
   韓国ダンス


 そうはいっても、日本チームも学校訪問の際にフィリピンの子どもたちに折り紙教えたり、キャンプファイヤーでソーランを踊ったりとか、芸もないではないのよね。だけど、演芸によって人を楽しませてやろうとか、喜ぶ顔が見たいとかという意識が他国の人たちほど高くない気がします。日本には別のもてなし方法があるんですよ、きっと。にしても本番の時間が迫っているのに、芸の詰めになかなか行かない子どもらの様子を見て、我々スタッフはいつもヒヤヒヤ。

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 学校で日本人歌う!
   ソーラン踊る!


 実際日本の学校での式典、例えば入学式なんかは、あまりに形式的すぎるように思いますね。校長や来賓の話がやたら長くて退屈だし、上級生によるアトラクションも、やっている人間が心から楽しんでいないように見えるし。あんまりウェルカムって雰囲気でないかも。それに慣れてる子どもたちにホスピタリティやエンタテイメント性を求めても酷ってもんかも。それでも教室で紙風船の折り方を教えていたハルキは「みんながちょっと横向いてるすきに膨らませると、すっごくびっくりするんだよー」と。いつの間にか彼は自分なりにノウハウを体得しているんだねえ。

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 折り紙教えるマリとハルキ

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 浴衣のマリとタカ

 あと、ここの学校の先生も愉快で愉快で。フィリピンの伝統的なゲームを教えてやろうといって、いきなり地面に紐を張り、ルールを説明し始めるわけです。日本の「田んぼ」や「Sケン」系の遊びのようで。3人ずつ2チームに分かれてやるんだけど、まあ手本を見てろと。手本のくせにえらいマジで、男の先生も女の先生も汗だくだくで走るわ、ブレーキ利かなくて地面で転げまって泥んこになるわ。早く交代してうちらにもやらせてや。それと、歳のことも考えないと・・・学校の先生も客人を喜ばせるために体を張るという、この国のすごさを思い知らされたのでありました(しかも授業時間中だし)。こんなファンキーな学校に校内暴力やイジメなんて存在しないだろうなあ。

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 先生たちアツすぎ!



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